鳥インフルエンザH7N9によるパンデミックの前兆

インフルエンザウイルスによる感染症であるインフルエンザは毎年必ず大流行を起こして日本だけでなく世界中を脅威にさらしています。変異が起こりやすいことから対策も容易ではなく、せっかく獲得した免疫も翌年には無効となってしまうことが一般的です。例年、ワクチンが製造されて流行を防ぐ対策がとられますが、必ずしも著効を示さない場合もあり、何度もパンデミックを起こしてきています。新たなパンデミックを引き起こすものとして注視されているのがH7N9と呼ばれるインフルエンザウイルスです。鳥に感染するインフルエンザウイルスであり、養鶏所などで鳥の間で感染することはありましたが、人への感染は確認されていませんでした。しかし、パンデミックの前兆となる報告として、H7N9の鳥から人への感染が報告されるようになっています。たったそれだけのことがパンデミックの前兆となると言えるのは、豚インフルエンザのパンデミックが起こったことがあるからです。H1N1と呼ばれる豚インフルエンザが、豚から人、人から人への感染能力を獲得してパンデミックを起こしたのが2009年のことでした。この事件は動物由来のインフルエンザウイルスが変異によってパンデミックを起こすことがありうるということを示したものであり、同様のことが他の動物のインフルエンザにおいても起こる前兆として捉えられるのに十分な影響力があったのです。H7N9についてもその危険性があります。それに加えて、鳥を宿主とすることから、海を越えてあらゆる場所に広がってしまう可能性が高いというのが懸念されている点です。それゆえに他のウイルスに比べてもH7N9の状況について各国が敏感になっているのです。