チャンピックスの副作用とは

禁煙マーク 禁煙補助薬のチャンピックスは、ニコチンが結合する脳内のレセプターの代わりに作用することで、少量だけドーパミンを分泌するという内服薬です。これにより、チャンピックスを服用していればタバコを吸わなくてもリラックスした状態を維持できるので、無理のない禁煙が可能となります。ちなみに、チャンピックスによる禁煙の成功率は、約50%と高い数字を記録しています。

このようにチャンピックスはタバコを止めたいという人にとっては非常に魅力的な内容を備えていますが、一方で意識障害や鬱、不眠や異常な内容の夢を見る、吐き気、不快感などの副作用が報告されています。これは、いわゆるニコチン離脱症状との関係性については明らかではありませんが、脳細胞に直接アプローチするというチャンピックスの作用が関係しているとも考えられています。

また、チャンピックスの副作用の中には吐き気や不快感などの軽度な内容だけではなく、自殺行為を含む重大なものが報告されています。このために、2009年にFDA(アメリカ食品医薬品局)では、最も強い安全上の警告に該当する黒枠警告に移動しています。

なお、チャンピックスは精神科の薬の中で自殺既遂の報告の多さが2番目、自殺未遂報告の多さが3番目で、これは副作用が多いことで知られている抗鬱薬のParoxetineの約8倍に相当します。つまり、服用する際には十分な注意が必要で、医師の指導のもとに使用するのが適当ということになります。

ちなみに、チャンピックスは国内では医薬品、医療機器などの品質、有効性および安全性の確保などに関する法律における劇薬に指定されている処方箋医薬品です。禁煙外来を行っている医療機関を中心に処方されており、12週間分までは健康保険が適用されます。このために、経済的な負担も少なくて済むので個人輸入代行などを利用するのではなく、禁煙外来を用意している医療機関で処方されるのが最も適切です。

副作用がひどい時はすぐに服用をやめる

チャンピックスによる副作用には個人差があるので、全く何の問題も感じないケースもあれば、自殺衝動にかられるという極めて深刻な場合も起こり得ます。このために、我慢して無理に使い続けるのではなく、副作用がひどいと感じた場合はすぐに服用を中断するのが適当です。

なお、副作用が吐き気程度の軽いものの場合は、必ずしも中断しなくてはならないわけではありません。もちろん、体調と相談しながら様子を見なくてはなりませんが、吐き気止めの薬を飲んで対応するという方法を選択することも出来ます。

このように、チャンピックスは状況に応じた臨機応変な対処が必要となるので、全てを自己判断で決定するのは、結果に重大な危険が伴う可能性もあります。体調が悪化したなどの問題が生じた場合は、即座に医師に報告して、適切な指示に従う必要があります。

また、スタートから12週間以内に服用を止めた場合は、再び最初からやり直すこととなります。この場合、スタートしてから1年が経過するまでの間は健康保険が適用されないので、チャンピックスの費用は全額自己負担となります。このことからも、金銭面のみを考えると途中でやめてしまうのはかなりもったいないと思うかも知れません。

しかし、命は何物にも代えることは出来ません。FDAによると2006年5月~2007年の12月までに自殺行動や自殺念慮の事例が227件も報告されており、厚労省の独立行政法人・医薬品医療機器総合機構の調査でも2008年~2012年までに自殺念慮が18件、自殺既遂2件など自殺に関わる事案が合計28件も報告されています。これらのデータからも、無理に我慢して服用を続けることも適当ではありません。