「it's Amazing」と叫ぶ男性とチャンピックスの薬
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「禁煙を成功するには、30回以上試みる覚悟が必要だ」との調査結果が、2016年にカナダ・トロント大学の研究チームが発表しました。なぜタバコをやめることが、それほどまでに困難なのでしょうか。それはタバコに含まれるニコチンには非常に強い依存性があるからです。ニコチン依存症から抜け出すのは、ヘロインやコカインをやめるのと同じくらい難しいといわれています。

一方、病院でタバコをやめる治療を受け12週間の治療プログラムを達成し、禁煙に成功している人たちが増加しているのも事実です。最近になって、ニコチン依存症を病気ととらえ、その治療方法や治療薬の研究が進んできました。また効果の高い治療薬も登場してきました。

禁煙成功者の満足度はどのくらい?

禁煙に成功した人たち 2020年東京オリンピックに向けて、日本の喫煙環境には一層厳しい規制が実施されるのは間違いありません。またタバコと健康の関係については、タバコが肺がんリスクだけではなく脳卒中・心筋梗塞や糖尿病また肺炎・ぜん息などなど多くの重大な病気の原因となることが明らかになってきています。またタバコ代金も上昇して、近いうちに1箱1,000円時代が来るのではないかともいわれています。

2017年に1,917万人(JT推計)といわれている喫煙者の多くは、「出来ればタバコを止めたい」と考えているのではないでしょうか。簡単そうに思えて実は非常に難しいのが「禁煙」です。ある調査によれば自力で挑戦して成功した人の比率は6%だと発表されています。

平均禁煙挑戦回数

また成功した人の挑戦回数は、平均で1.4回で、1回目の挑戦で成功した人は成功者の37%、2回目は26%、3回目は19%と回数を追うごとに成功率が下がり、4回目で成功した人の比率は4%と激減しています。挑戦した回数では3回が一番多く、3回挑戦して失敗し禁煙そのものをあきらめてしまう人が多いという調査結果でした。

またタバコをやめても「仕事のストレス」「お酒を飲んで」「すすめられて」などをきっかけに再びタバコを吸うことになった人も多く見受けられます。多くの人が挑戦しながら喫煙人口がほぼ横ばいになっているデータを見れば、タバコをやめることが簡単ではないことがわかります。

成功した人の禁煙方法を見ると、「ひたすら我慢」が最も多く「周囲に宣言する」「灰皿を処分する」など「気合いと根性で」という人が57.7%です。「病院や医師と相談して、治療を受けて」は6.5%とまだまだ少数派です。

すぐに実感できる禁煙の効果

成功したほとんどの人たちは、禁煙できて今までの生活が大きくに変化したことを実感しています。ある成功者のブログを見ると、タバコをやめて生活が劇的に変化したところが10項目もあった、とのことです。

タバコ代がかからない
タバコを吸う人は、毎月1万円以上タバコ代をつかっているけれど、それがすべて残ります。
ドリンク代も劇的に減る
タバコとコーヒーはセットになってました。タバコをやめると朝のタバコとセットだった甘いコーヒー代がいらなくなりました。甘いコーヒーも飲めなくなりました。
息切れしなくなった
タバコをやめるとすぐに実感できます。10歳くらい若返ったなと思えるほど劇的に息がしやすくなりました。
タバコのにおいが嫌いになった
喫煙者が近くを通るだけでタバコのにおいを感じるようになりました。毎日行っていた喫煙所には近づくだけで気持ち悪くなります。それくらい変わりました。
味覚が戻り食べ物がおいしくなった
味覚が回復すると本当に幸せになります。美味し過ぎて一時期太りましたが今は落ち着きました。タバコに使っていたお金で美味しいものを食べようと思うようになりました。
睡眠がよくなった
夜中によく目が覚めタバコを吸わないと眠れず、朝も目が覚めても気持ちが悪く、タバコを2,3本吸ってから仕事の用意をする、という生活がかわり、今はすっきり目覚め起きてすぐに活動できるようになりました。
息が臭くなくなりました
口の中がすごくクリーンになりました。歯にヤニがつかなくなりました。タバコをやめたのを記念に歯医者で全部クリーニングしました。信じられない位の爽快感です。
車が臭くなくなった
エアコンをつけるたびにヤニくさかった車が臭くなくなり窓を開けることがなくなりました。
運動するようになった
タバコをやめたのを機に、腹筋台とエアロバイクを買い運動するようになりました。気持ちが前向きになり、ポジティブになりました。今まで、タバコを吸えばストレスがなくなると思っていましたが、タバコをやめるとストレスがなくなりました。
仕事がはかどる
事務系の仕事ですが、タバコを吸って一息いれると効率が上がると思っていましたが、タバコをやめて体調がよくなり仕事の効率は上がりました。

ニコチン依存から抜け出す難しさ

ニコチン依存から抜け出そうとしている人 簡単ではない禁煙をどうすれば成功できるのか。最近の研究で、難しいのは禁煙する人の意志が弱いからではないことが明らかになっています。主な原因はタバコに含まれるニコチンの持つ強い依存性なのです。

タバコを吸うと、ニコチンが肺から脳に運ばれ、脳にある「ニコチン受容体」と結合します。すると脳から大量のドーパミンと呼ばれる快感を生じさせる物質が放出され、喫煙者は快感をおぼえます。これがタバコを吸うと落ち着く、ホッとするといった効果の仕組みです。しかし30分もすると体内のニコチンの量が減り、逆にイライラしたり落ち着かないなどの離脱症状(禁断症状)があらわれます。この離脱症状を解消するため、タバコを吸うようになりそれを繰り返すうちにニコチン依存症になっていきます。

タバコをやめるのは、ニコチン依存症から抜け出すことですが、これはヘロインやコカインをやめるのと同じくらい難しいといわれています。自分一人の努力だけで成功させるのは大変困難なことだといえるでしょう。

禁煙補助!チャンピックスの効果と成功率の高さ

煙草 なかなかタバコをやめる挑戦ができなかった人やニコチン依存症に悩んでいる人々に朗報です。禁煙補助薬「チャンピックス」が登場し、治療が大きく前進することになりました。

チャンピックスはタバコをやめるための飲み薬です。チャンピックスには2つのメリットがあります。「ニコチン切れ症状を軽くする効果」と「タバコをおいしいと感じにくくする効果」です。タバコを吸うとニコチンが脳のニコチン受容体と結合して快感を生じさせる物質「ドーパミン」を放出させます。チャンピックスもこの受容体と結合することでニコチンよりも少量のドーパミンを放出させて、ニコチン切れによってあらわれる離脱症状(禁断症状)のイライラなどニコチン依存症の症状を軽くします。

またチャンピックはニコチンが受容体に結合するのを邪魔をしドーパミンの放出を抑えて、タバコを吸った時に感じる「おいしい」という満足感を感じにくくします。この2つのメリットからチャンピックスを服用することでタバコをやめることができた人は非常に多く、また年々増加しています。

チャンピックス服用のルールや注意点

チャンピックスを服用して成功させるには、守らなければならないルールがあります。定められたルールに従って、また医師の指導に従って使用することが重要です。そうすれば成功率は非常に高いものになります。

チャンピックスは、12週間でニコチン依存症を治療する薬です。12週間の治療スケジュールに基づいて毎日の薬の量や飲み方が決まっています。このスケジュールに従って薬を服用することが、治療を成功させる上で重要なポイントです。治療の途中で、自分の力だけでタバコをやめることができると考えて、薬の服用を中断したり変更して失敗するケースが非常に多いです。

またチャンピックスの服用には注意事項があります。次に該当する人は服用にあたっては必ず医師に相談しましょう。

チャンピックスの服用を控えるべき人

  • 薬にアレルギーのある人
  • 精神疾患のある人
  • 腎臓の病気がある人
  • 他に服用中の薬がある人
  • 未成年者
  • 妊婦もしくは授乳している人

また服用にあたっては次の事柄には注意しましょう。

・ニコチンを含んだ禁煙補助薬(ニコチン製剤)との併用はしない。
・禁煙は、治療の有無にかかわらず様々な症状(気分が落ち込む、焦りを感じる、不安を感じる、死んでしまいたいと感じるなど)を伴うことがあります。服用中にこのような症状が出た場合は、服用を中止し医師に相談してください。
・事故を未然に防ぐため、服用中は自動車の運転など危険を伴う危険な機械の操作はしないでください。

チャンピックスの副作用

  • 吐き気
  • 頭痛
  • 上腹部痛
  • 便秘
  • お腹のはり
  • 不眠
  • いつもと違う夢を見る

これらの症状やこれ以外にも不快な症状があらわれた場合は、すぐに医師に相談するようにしましょう。

禁煙外来でも処方されるチャンピックス

ひとりではなかなか成功しない禁煙を、病院の治療によってタバコをやめた人が多くなってきています。医師のサポートを受けて必要な治療を適切に行い、タバコをやめることはそれほどむつかしいことではありません。

病院では、タバコをやめたい人に対し医師が指導を行って禁煙治療を行っています。病院では、医師があなたの喫煙歴を把握したうえで禁煙補助薬の処方や治療の経過を見守ってくれます。治療中に離脱症状や薬の副作用による症状があらわれたときには、医師が相談に乗ってくれタバコが吸いたくなった時の対処法などをアドバイスしてくれるので安心して治療を続けていくことができます。

またニコチン依存症は病気であるとの認識から、今では一定の条件を満たせば健康保険の適用をうけることができます。

その条件とは

  1. ニコチン依存度判定テスト(設問が10個の問診テスト)で5点以上
  2. 1日の平均喫煙本数×これまでの喫煙年数=200以上(2016年4月より35歳未満にはこの要件がなくなりました)
  3. ただちに禁煙をはじめたいと思っている
  4. 禁煙治療を受けることを文書で同意している

以上の4点です。

チャンピックスの費用

また気になる費用ですが、治療期間を約3カ月(12週間)のスケジュールとして計算すると、健康保険適用で自己負担30%の場合、約13,000円~20,000円程度(最短8週間~最長12週間)となります。この費用をタバコ代金と比較すると、タバコ代金を1日1箱として計算すると合計で約23,000円~35,000円となり、タバコ代金は治療費の約1.7倍と断然治療費の方が安くなります。

実際の治療について

治療は12週間が基本です。その間に5回(初日、2週間後、4週間後、8週間後、12週間後)診察を受けることになります。最も大切なことは医師に相談なしに治療を中断しないことです。治療を勝手に中断すると失敗する確率は高くなっています。

なぜ治療を中断すると成功率が低くなるのでしょうか。それは、中断したことによって医師から適切なアドバイスや適切な薬の処方が受けられないからです。

初回の診察では、ニコチン依存症の有無をチェックし、健康保険などを使った治療ができるかどうかを調べます。また息に含まれる一酸化炭素(タバコに含まれる有害物質)の量を調べる検査も行われます。

治療が可能であるとわかったら、禁煙開始日を決め「禁煙宣言」します。つぎに治療方法の中で重要な治療補助薬の選定を行います。医師が、補助薬の種類と使い方の説明をし、その中から補助薬を選びます。補助薬には、ニコチンを含まない飲み薬、ニコチンパッチ、ニコチンガムがあります。このうちニコチンパッチの一部(薬局・薬店などで購入できるもの)とニコチンガムは健康保険の適用外です。またニコチンを含まない補助薬としてチャンピックスが使用されています。

その後、4回の診察(2週間後、4週間後、8週間後、12週間後)が行われます。

この診察では

  1. 禁煙状況の確認、体調チェックの診察
  2. 一酸化炭素量の測定
  3. 治療を継続するためのアドバイス(ニコチン依存症の対処法など)
  4. 補助薬の効果の確認、副作用の有無と対処

などが行われ、次のステップへ進んで行くことになります。

5段階の禁煙治療プログラムの治療の流れは次のようになっています。

2週間後(通院2回目)
タバコをやめたことによる離脱症状(禁断症状)が続いている場合は対処法を医師と一緒に考えます。一酸化炭素量検査を行います。タバコをやめていれば吸わない人と同レベルになっています。
4週間後(通院3回目)
タバコをやめた効果により体調の改善が見られます。
8週間後(通院4回目)
禁煙も安定してきます。体重が増えてきた場合は医師が食事や運動について症状に合わせた改善策をアドバイスしてくれます。
12週間後(通院5回目)
治療プログラム終了です。タバコを吸わない自信もついているはずです。